私の選んだ一品

気概のあるものはひとめでわかる

この椅子には、従来の日本の家具メーカーやデザイナーの保守的な考え方から脱却した、これまでにない部材の構成による新たな椅子のデザインの言語化に挑戦するような気概を感じる。シンプルな構成だが、製造上の構造はかなり繊細で、接合部の強度を確保することが困難だと一見して分かるデザインであり、製品化に至るプロセスには高い製造技術とかなりの苦労があっただろう。
これまで日本の家具メーカーやデザイナーがとらわれてきた家具に対する固定概念を塗り替えてゆく新しい試み。
“世界における日本の家具の在り方”に挑む、デザイナーとメーカーとの関係性を示唆するものであり、日本から世界への新たな挑戦に感じられた。

吉田 龍太郎Ryutaro Yoshida

椅子
スプリンター ダイニング アームチェアー(木座)
Chair
SPLINTER DINING Arm Chair (wood seat)

nendoの佐藤オオキ氏による流れるようなフォルムが特長のアームチェアーです。背からめくれるように裂けて、脚やアームになるデザインは、ほとんどが「半円柱」の部材となって全体に軽やかな印象を与えます。特に後ろ脚から背にかけての三次元的なラインが、「裂けた」様子をリアルに表現。どの方向から見ても流れるようなフォルムを実現しています。さらりとした感触の木座の他に座張や、クッション性のある背座一体型のシェルタイプもラインナップ。

株式会社カンディハウス CONDE HOUSE

この情報は、東京ミッドタウン・デザインハブで2014年10月に開催された「私の選んだ一品2014」展の内容を再構成したものです。
→「私の選んだ一品2014」展について