高所建設現場で働く人たちの命を守る安全帯。しかし、実はこの安全帯を外すときに、落下事故が一番起きやすいという。
このフックは、高所での事故を減らしたいとの思いから、“外れにくさ”ではなく、“外しやすさ”を追求して開発された。スムーズな取り外しの機構と、開口部の拡張を実現した。また素材はアルミの鍛造で、色は黒というこだわりよう。命を守るという機能だけでなく、一日中身につけるものとしての美的な側面まで意識されたプロダクトとなっている。
より安全で美しいこの安全帯フックは、建設現場という都市における“縁の下の力持ち”を、さらに支える働く人たちへの愛がつまったデザインだと思う。
内田 まほろMaholo Uchida
建築業界は全産業の中でも依然として墜落・転落死亡事故の割合が60%と高く、墜落防止ロープは必携であるが高所での移動中のフック架け替え時に発生する落下事故が無くならない。このフックは架け替えのし易い構造を目指し、全体を大きくすること無く開口部のみを広げる工夫を施した。指の形を模した外れ防止レバーはすべり防止にも役立つと共に握ったときの安定感を増した。これら形状の工夫により開口部を従来市場にある製品に対して116%広げることに成功。この形状を鍛造アルミニウムのフックに用いることで従来フックの67%に軽量化。素材の良さをマットブラック塗装で表現し美観に富む製品となっている。