机とセットで使用される講義椅子の多くは、後方机にセッティングされる椅子を開閉する仕様であり、着席時の振動が後方に座る人にも伝わって互いに気を遣う構造であった。
講義椅子SCF-5105 は、その課題を解決した床自立型の講義椅子であり、通常は前方斜めに傾く支柱によって通路幅を確保し、着席時には体の重みでほぼ水平に座面が移動することで安定した座り心地を確保する。また、離席時にはダンパーが機能することで、気持ちよく自動収納されて講義室の整然さを維持する。機能美を有する端正なフォルムや質感とともに、教育現場におけるデザインイノベーションを実現した製品である。
池村 明生Akio Ikemura
主に教育施設で使用される床固定式の講義用椅子。前後搖動式の座席は、人が座った状態のままで前方へ移動することが出来、座席後方に広い通路が確保出来る。樹脂成型品の背座とそれを支えるアルミフレームは、異素材同士でありながら同一の面やラインで繋がっており、製品としての統一感が生まれている。背座は座り心地を考慮した人間工学に基づいた三次曲面で構成されている。脚フレームはアルミダイカスト製であり、強度と高品位な意匠を兼ね備えた合理的構造となっている。離席時の収納動作はスムースでありながら、最後は緩やかに収まり安心感を与えられる。