フランス、リヨン市における再開発事業に際して、街全体のエネルギーの利用状況を直感的かつスピーディに提供し、都市計画の指針等に用いるためのシステムです。
本作が他のCMSのシステムと比較して、最も際立つ点は、他ならぬ「わかりやすく、美しいグラフィック」にあります。これは、再開発事業にかかわるリヨン市職員など、専門家に向けた情報提供だけではなく、住民らにも街のエネルギー利用状況を適切に知らせ、施策に沿った行動を誘発するという、プロジェクト全体を市民と共有する思想が背景にあることを想像させます。今後、専門家に取り扱われてきた情報は、本作のように透明化、共有化の道を進むことはまちがいないでしょう。
松下 計Kei Matsushita
フランス・リヨン市の協力の元、NEDOから委託された大規模なCMS実証事業において地域エネルギーを視覚化して分析するためのシステム。ビルや住宅さらには電気自動車などから、電気・ガス・水道などの消費量、そのCO2排出量、再生可能エネルギー利用状況を収集・分析し、省エネや環境負荷対策に効果的な施策や都市計画の指針とする。データの比較分析から気付きを提供するという課題に対し、グラフ化したデータを重ねたり、期間と日時を素早く絞り込んで比較しやすくしたり、街全体のエネルギー利用の変化が一目で分かるように地図上にマッピングしたりするなど、データの特徴を把握しやすいユーザインタフェースデザインとした。