オープンイノベーションは日本ではどこか都市伝説的な響きがあり、成功事例が少ない。一方で、「ロングテール」という概念が表すように、分散化した多様なニーズをもつ利用者を味方につけ、利用者自身に製品の価値を見出だしてもらう流れは確実に広がっている。
X-mobility はまさにオープンイノベーションへの挑戦である。技術競争の激しいモビリティの領域で、あえて使い方が自由な「部品」としての市場にリリースし、利用者主体で活用法を作りだす。大量生産では対応しづらいニッチ・ニーズに対峙する新しいビジネスデザインでもある。大企業がこういった大胆な取り組みをはじめていることに大きな意義を感じる。
林 千晶Chiaki Hayashi
X-mobilityは、任意のアイテムに装着することでそれらを簡単に自走可能な移動体へと変えてしまう電動車輪システムです。これによってユーザーは自ら利用シーンを創造し、新しい移動体を作り上げていくことが出来ます。 車輪はこぶしサイズの球体形状をしており、どこにいくつ取り付けてもひとつの移動体としての振る舞いを見せます。ユーザーはスマートフォンなどを操作し、完成した移動体を自由に操縦したり、自分の歩行に追従させることが出来ます。