グッドデザイン賞受賞概要

2019年度|メッセージ

主催者挨拶

2019年度グッドデザイン賞を受賞された皆様に心よりお祝いを申し上げます。
今年も国内外から数多くの応募をいただき、厳正な審査が行われた結果、2019年度グッドデザイン賞受賞デザインの数々を発表させていただくことなりました。審査委員の皆様をはじめ多くの関係者の皆様の長期にわたるご努力にお礼を申し上げます。
令和初の開催となった今回のグッドデザイン賞は、近年になってさまざまな領域でデザインが活かされるようになっていることを反映して、幅広い分野からこれまでで最多となる1,420件のデザインが決定されました。受賞デザインは、日本国内はもとより、アジア圏を中心とした海外から応募されたものも数多くあります。
受賞デザインを一覧すると、変革が進む社会、産業、暮らしのあり方を意識した、課題解決志向型のデザインが地球規模で増えていることがわかります。さらに、すでに存在していたものごとが、デザインの力によって新たな価値を見出され、これまでにない恩恵や気づきを私たちにもたらしてくれる事例も多くみられます。
デザインという取り組みが、さまざまな地域で多様な担い手により実践され、その可能性を豊かに広げていることを、今回の受賞結果から感じ取っていただけることを期待しています。
なお、すべての受賞デザインの中でも、完成度や今後への期待度が特に高いと評価された100件であるグッドデザイン・ベスト100の中から、今年度のグッドデザイン大賞・金賞・グッドフォーカス賞が決定されます。
多くの皆様に引き続きご注目していただきますようお願い申し上げます。

2019年10月2日

公益財団法人日本デザイン振興会
理事長 大井 篤

審査委員長挨拶

2019年度グッドデザイン賞を受賞の皆様、おめでとうございます。今回のグッドデザイン賞では、昨年に続いて美しさをテーマに掲げて審査を進めてきました。美しさを創出することはデザインの変わることのない務めであり、その度合いや質に対して目を向けることは不可欠なものでした。ただし、はじめから絶対的な美を定めるのではなく、美しさをどれだけ豊かに、時代や社会に合わせて定義できるかが大切であるようにつねに考えてきました。今回の受賞結果は、さまざまな視点とキャリアを持った審査委員たちによる、多様な美しさのあり方を模索した真剣な議論の成果であると理解していただけるとよいと思います。
さらに、それは同時に、それぞれのデザインから「共振する力」を引き出すプロセスでもありました。いまこの時代と社会に存在するデザインとして、どのような時代感覚と課題意識を伴っているのだろうか?さらに、これから先の暮らしや産業や社会のあり方に影響を及ぼしうるデザインとしての規範性(モデルとなる可能性)が認められるのだろうか?そのような関心に基づきながら、それぞれのデザインに備わる力を見出し、読み解くことこそ、審査において委員一同が何よりも心がけた点でした。結果として、目的も表現手法も異なった多種多様なデザインが、社会の中でさざ波のように広がって、さらなる豊かな創造をもたらしていくことへの期待を十分に感じさせてくれているように考えています。
今回受賞されたデザインの一つひとつに備わる力が、人々の共感と支持を招き、これからの社会を豊かに築いていく確かな力へと発展することを望んでいます。

2019年10月2日

2019年度グッドデザイン賞
審査委員長 柴田 文江

2019年度グッドデザイン賞
審査副委員長 齋藤 精一