グッドデザイン賞受賞概要

2018年度|グッドデザイン・ロングライフデザイン賞2018年度|グッドデザイン・ロングライフデザイン賞

ロングライフデザイン賞は、長年にわたり作り手と使い手、社会との対話の中で醸成され、暮らしや社会の礎となり、未来においてもその役割を担い続けてほしいデザイン、時代と共に変化する価値観を超えて、スタンダードであり続ける力を持ったデザインを顕彰する賞です。

広く使用者や生活者から支持を得ている商品やサービスで、審査がおこなわれる時点で10年以上継続的に提供され、またそれ以降も継続して提供されると想定できるものを対象とし、ウェブサイトを通じて広く一般のユーザーより推薦されたデザインに対して、ロングライフデザイン賞審査委員が選考、審査を行い、賞を決定します。

2018年度グッドデザイン・ログライフデザイン賞は、4月5日に推薦による受付を開始、ユーザーより推薦された274件のデザインのうち、審査委員による一次選考を通過後、そのデザインの主体者よって応募された36件が本年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞にノミネートされました。
ノミネートデザインはGOOD DESIGN Marunouchiにて一般公開され、来場者から各ノミネートデザインへ合計1,544票の推薦コメントが寄せられました。
これらの推薦コメントも参考とし、審査情報及び現品を元に二次審査を実施した結果、19件が2018年度ロングライフデザイン賞を受賞しました。

2018年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞結果(カッコ内:前年比)
推薦総数:274件(+18件)
応募件数:36件(±0)
受賞件数:19件(-6件)

グッドデザイン・ロングライフデザイン賞

受賞一覧

審査総評

齋藤 精一

齋藤 精一Seiichi Saito

2018年度ロングライフデザイン賞審査委員
グッドデザイン賞審査副委員長
クリエイティブ/テクニカルディレクター

今年初めてロングライフデザイン賞の審査を担当したが、2018年ならではのカテゴリーが加わりロングライフデザイン賞の境界が更に広がったのを感じた。
東京タワーのような建築をはじめ、ガンダムやゴジラ等のメディア・コンテンツ、駅すぱあとのようなアプリと、一見新しい領域のようだが、既に10年以上生活の中で親しまれているものが、「ロングライフデザイン」の新しい外形を創ったように思う。
「変えないために、変化し続ける」 ー 多くの受賞した作品は環境や時勢・メディアに合わせて変化し続けており、さらにこれからの進化をも期待できる勢いがあった。
来年も更に新しい視点と定義を広げるような作品が多く応募されることを期待します。

齋藤 峰明

齋藤 峰明Mineaki Saito

2018年度ロングライフデザイン賞審査委員
シーナリーインターナショナル代表

昨年度のロングデザイン賞で銀座の歩行者天国という、もの以外の事柄が初めてこの賞を受賞したことにより、このロングデザイン賞も新たな時代を迎えたようだ。
というのも今年度はアプリケーションの「駅すぱあと」や、「ゴジラ」や「ガンダム」といったキャラクター、また「Suica」のような体系化されたサービスが受賞し、これは改めて現代のデザインの概念自体が拡がっていることを示している気がする。
また今年は、10年以上親しまれてきた商品であっても環境に配慮して素材などが変わるなど、時代に寄り添って少しずつ進化している点も評価の対象となった。ただ同時に、ものの背景にある思想やストーリーがオリジナリティーの高いものであっても、それが具体化した段階でものとしての美しさに欠けるものは受賞を逃したことを考えると、グッドデザインがソフト、ハードに関わらず、美しさの追求に関わるものであることに変わりないことがわかる。

柴田 文江

柴田 文江Fumie Shibata

2018年度ロングライフデザイン賞審査委員
グッドデザイン賞審査委員長
プロダクトデザイナー

発売当時から変わらない強いデザインは、年月を経て暮らしに何をもたらしたのか、それが今も愛されているのはなぜか?加えて2018年のロングライフデザインには「美しさ」という視点があったように感じます。カタチのあるものだけではなくコンテンツなどの無形のものにも、ありようの美しさを探しながら議論ができました。
また、これまでの質感に拘らず環境に配慮した素材を採用しながらもオリジナルのイメージを保つ美しい改良が見られた商品など、これから生まれるデザインの手本となりうるラインナップとなりました。

福光 松太郎

福光 松太郎Matsutaro Fukumitsu

2018年度ロングライフデザイン賞審査委員
株式会社福光屋 代表取締役社長

昨年から分野が広がってきた。昨年の「歩行者天国」から、今年は「ゴジラ」へとモノからコトへ、さらにはキャラクター文化までが対象になった。来年はまたどのような応募があるか楽しみである。気になっていることは、商品のオリジナルデザインがその展開系になった場合に崩れている場合があることだ。商品の新しい差別化要素をオリジナルデザインに無理に乗せることで、デザイン性を犠牲にして販促効果の方を選択したケースが多い。小売りの現場状況から理解はできるが、このようなことにも対応できるデザイン力が必要だと感じる。

LONG LIFE DESIGN 2018

2018年度ロングライフデザイン賞実施スケジュール

一般からの推薦期間(4月4日 - 5月23日)
グッドデザイン賞ウェブサイトにて、商品のユーザーおよびデザイナー、企業からの推薦を受け付けました。

審査対象の確定(6月1日)
ロングライフデザイン賞審査委員により、推薦されたデザインの中から、審査対象を決定しました。

応募者の確定(6月30日)
決定した審査対象について、事業主体企業からのロングライフデザイン賞への応募を呼びかけ、確定しました。

グッドデザイン・ロングライフデザイン賞ノミネートデザイン展(会場:GOOD DESIGN Marunouchi)(7月27日 - 9月2日)
応募が確定した審査対象を、GOOD DESIGN Marunouchi において一般公開展示を実施し、広く一般より応募対象への「推薦コメント」を募集しました。

ロングライフデザイン賞審査会(8月20日)
GOOD DESIGN Marunouchi において、ロングライフデザイン賞審査委員により現品やパネル等資料を用いた審査を行い、ロングライフデザイン賞を決定しました。

ロングライフデザイン賞受賞発表(10月3日)
2018年度ロングライフデザイン賞を発表しました。
グッドデザイン・ロングライフデザイン賞

ロングライフデザイン賞受賞展「LONG LIFE DESIGN EXHIBITION 2018」(会場:東京ミッドタウン「GOOD DESIGN EXHIBITION」会場内)(10月31日 - 11月4日)

ロングライフデザイン賞受賞祝賀会(12月3日)

受賞年鑑の発刊(2019年3月)

2018年度ロングライフデザイン賞開催要項

この要領は、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞(以下、ロングライフデザイン賞)の実施にあたり、必要な事項を定めたものです。

1)趣旨と目的

ロングライフデザイン賞は、長年にわたり作り手と使い手、社会との対話の中で醸成され、
暮らしや社会の礎となり、未来においてもその役割を担い続けてほしいデザインを選び、顕彰します。
また、それらのデザインを、生まれた時点から現在、そしてこれからを見据えて検証することで、デザインの役割や意義を明らかにし、日本が築きあげてきたデザイン資産を社会全体で共有する機会を提供します。

2)名称・表彰主体

名  称グッドデザイン・ロングライフデザイン賞
表彰主体公益財団法人 日本デザイン振興会 会長

なお、表彰主体は、ロングライフデザイン賞の趣旨と目的に照らし受賞対象に特に顕著な功績を認める場合「ロングライフデザイン特別賞」などを設けることがあります。

3)対象となるデザイン

広く使用者や生活者から支持を得ている商品やサービスで、審査がおこなわれる時点で10年以上継続的に提供され、またそれ以降も継続して提供されると想定できるもの。

4)審査

4-1. 審査委員会
主催者は「ロングライフデザイン賞」の趣旨に基づく審査を実施し、その目的を達成するため、「ロングライフデザイン賞審査委員会(以下「審査委員会」)を設置します。
審査委員会は、その商品やサービスのユーザーから推薦された対象となるデザインについて、ロングライフデザイン賞の理念を尊重し審査を行い、審査委員の合議によって受賞対象を確定します。
審査委員会は全ての受賞対象について、その受賞理由を明らかにします。主催者はこれらの情報をグッドデザイン賞のウェブサイトなどを通じて公開します。

4-2. 審査委員
主催者は、公益財団法人日本デザイン振興会内規「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞審査委員会設置規程」に基づき、ロングライフデザイン賞の趣旨と目的を理解する有識者にロングライフデザイン賞審査委員を委嘱します。
2018年度の審査委員は以下の通りです。審査委員の委嘱期間は委嘱開始日から2019年3月31日までとします。

齋藤 精一(2018年度グッドデザイン賞審査副委員長/クリエイティブ・テクニカルディレクター 株式会社ライゾマティクス 代表取締役社長)
齋藤 峰明(シーナリーインターナショナル 代表)
柴田 文江(2018年度グッドデザイン賞審査委員長/プロダクトデザイナー)
福光 松太郎(株式会社福光屋 代表取締役社長)

4-3. 審査の視点
ロングライフデザイン賞の審査では、審査対象のデザインが「暮らしや社会の礎」として社会に支持され続け、今後も生活を豊かにし続けるものであるかどうかに重きをおいて審査します。
今日のグッドデザイン賞の「審査の視点」に加えて、以下の「ロングライフデザイン賞の審査の視点」に立って検討を行いながら、そのデザインのクオリティと可能性等を総合的に判断し、受賞対象を選びます。

革新性 ー 新たな概念や価値をもたらしたか
信頼性 ー 人々から根強く支持され、信頼されているか
普遍性 ー スタンダードとしてあり続けているか
先導性 ー 次世代のモデルとなりうるか

5)選考のプロセス

ロングライフデザイン賞の選考は、以下に則って行われます。
具体的な期間および日程は別途公開します。

5-1. 推薦
主催者は、ロングライフデザイン賞の推薦フォームを、グッドデザイン賞ウェブサイトに開設します。ロングライフデザイン賞にふさわしいと思われるデザインのユーザーは、推薦フォームよりそのデザインを推薦します。

5-2. 審査委員会による選考と審査対象の確定
推薦された対象について、審査委員会は賞の趣旨と上述の審査の視点に基づいて一次選考を行い、ロングライフデザイン賞の審査対象を確定します。

5-3. 応募者の確定
主催者は、審査対象に確定したデザインの事業主体者(製造者、提供者)にロングライフデザイン賞への応募を勧誘します。
応募に同意した企業は「応募確認書」を提出し、主催者が求める審査対象に関する情報(以下「審査情報」という)を提供します。

5-4. 審査
主催者は、ロングライフデザイン賞審査会を「GOOD DESIGN Marunouchi」で開催します。応募者は、審査会場への審査対象の搬入出を行います。
審査委員会は、前述の審査の視点等に則り、推薦者からの推薦理由と、審査情報および審査対象の現品によって、ロングライフデザイン賞の審査を実施し、受賞対象を決定します。
審査会場は、一定期間一般に公開されます。また公開期間中は、応募対象への「推薦コメント」を広く一般より募集します。

6)受賞発表と広報およびプロモーションのプロセス

6-1. 受賞発表と表彰
受賞が決定した応募者を受賞者と呼びます。
主催者は2018年度グッドデザイン賞の発表と同時に、ロングライフデザイン賞の受賞対象を発表します。また、別途、12月3日(月)に国際文化会館にてグッドデザイン・ロングライフデザイン賞表彰式を開催し、受賞者に表彰状とトロフィーを贈呈します。

6-2. 受賞対象の展示
主催者は、グッドデザイン賞受賞展において受賞対象を展示します。

6-3. 受賞プロモーション
受賞者は、受賞発表以降、受賞対象についてロングライフデザイン賞受賞の証である専用の商標「Gマーク」を無料で使用し、受賞対象のプロモーションを実施できます。
主催者は、受賞者の協力に基づき、受賞対象の展示や販売などを通じ、様々な機会を活用し、受賞プロモーションを実施します。

6-4. 受賞イベントの開催
主催者は、受賞者の協力に基づき、審査を通して得られた知見など、受賞対象のデザインの意義を一般に共有する機会として、一般公開型のイベントを開催します。

6-5. 年鑑の発行
主催者は、ロングライフデザイン賞受賞対象を含めた、2018年度の全受賞対象を掲載する受賞年鑑「GOOD DESIGN AWARD 2018」を制作、発行します。

7)受賞者の義務と権利

受賞者は、以下の権利と義務を有するものとします。

権利 −ロングライフデザイン賞受賞の証である専用の商標「Gマーク」の無料使用
使用にあたっては「Gマーク使用要領」を準用してください。
義務 −審査情報の提供、受賞対象に関する情報や画像情報等の提供
審査会場および受賞展示会場への現品の展示および搬入出
主催者が実施する受賞プロモーションへの協力

8)費用

審査料、受賞展出展料、受賞年鑑掲載料およびGマーク使用料は全て無料です。
審査会場や受賞展での展示、受賞プロモーションやシンポジウムの実施に関しては実費が必要となる場合があります。

9)その他の重要事項

9-1. 情報の公開
主催者は、審査情報のうち予め指定する情報を、グッドデザイン賞の広報のために使用します。

9-2. 応募者の責任に帰する事項
応募対象に関する意匠権等の知的財産権、品質、性能、安全性等の要件、およびその販売、施工等に関して生じた問題の責任については、応募者が負うものとし、主催者はその一切の責任を負いません。
応募によって、応募者、受賞者あるいはその他の第三者の間で生じた紛争については、主催者はその一切の責任を負いません。

9-3. 受賞の取り消し
受賞対象について、下記のような事実が判明した場合、主催者はその受賞を取り消すことができます。
受賞対象が、その機能的欠陥等から社会的に著しい損害を与えた場合。
受賞対象が、他者の意匠権等の知的財産権を侵害していると公に認められた場合。
応募者が、「ロングライフデザイン賞開催要領」および「Gマーク使用要領」に定められた規則に違反した場合。

10)スケジュール(予定)

推薦受付期間
4月4日(水)〜 5月23日(水)

選考プロセス

6月1日(金)
推薦されたデザインの選考および審査対象候補の確定
6月25日(水)
審査対象候補の事業主体者への通知
6月末
審査対象の確定
7月27日(金)〜9月2日(日)予定
一般公開期間(会場:GOOD DESIGN Marunouchi)
8月20日(月)
審査会

受賞発表・表彰および受賞プロモーション

9月5日(水)
受賞内定通知
10月3日(水)
受賞発表
10月31日(水)〜11月4日(日)
受賞展での展示
11月以降
GOOD DESIGN STORE等での受賞プロモーション
12月3日(月)
グッドデザイン・ロングライフデザイン賞表彰式(会場:国際文化会館)
2019年3月
受賞イベントの開催/受賞年鑑発刊