グッドデザイン賞受賞概要

2018年度|メッセージ

主催者挨拶

本日、2018年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表しました。
受賞の皆様には心よりお祝いを申し上げます。
本年度のグッドデザイン賞には4,789件の、昨年度を上回る応募をいただくことができました。これは、近年、デザインに対する社会的な理解と期待が高まりをみせ、デザインの領域の拡大と相まってデザインの担い手が多様化し、またグッドデザイン賞の受賞価値も一層高まってきていることなどが反映されていると考えられます。さらに、中国などアジア各地域を中心とした海外からの応募の増加は、これらの国々においてデザインが重要な成長戦略に位置付けられているとともに、グッドデザイン賞の公正かつ厳格な審査に対して信頼を寄せていただいていることによるものと思います。
本日発表しました1,353件の受賞作は、そのようなデザインをめぐる今日の状況の縮図であり、同時にこれから先のデザインのあり方を示唆するものと言えるでしょう。
私たちの暮らしの質を高め、社会に新しい可能性をもたらしていくために、デザインの力が欠かせないことを、今回の受賞結果から感じ取っていただけることを期待しております。
なお、本日発表したグッドデザイン・ベスト100は、すべての受賞作の中でも今後のデザインのスタンダードとなるにふさわしい、特に優れた100点とされるもので、今後、この中から2018年度のグッドデザイン大賞をはじめとする特別賞各賞を決定してまいります。
引き続きのご注目を賜りますようお願い申し上げます。

2018年10月3日

公益財団法人日本デザイン振興会
理事長 大井 篤

審査委員長挨拶

本日、2018年度のグッドデザイン賞受賞結果を発表しました。受賞されたデザインに関わる皆様に心よりお祝いを申し上げます。
2018年度のグッドデザイン賞の審査では、デザインが持っている力や可能性に目を向けて、それを引き出すことを心がけました。いま、デザインはますます私たちの暮らしとの関わりを強めています。社会課題の解決策を示すこと、何かを変えるための力になること、誰もが幸せを感じられることなど、デザインのもたらす価値が社会全体で共有されるようになっています。そのような状況を導く上で、いまデザインとして見立てられるものごとの水準を確かめる、いわばデザインのベンチマークを定める役割を担ってきたのが、グッドデザイン賞です。
これから、デザインはさらに私たちの暮らしの中に広く行き渡り、深く根ざしていくことでしょう。だからこそ、グッドデザイン賞は、ベンチマークからさらに一歩踏み込んで、この先に向けた指標となれるようなデザイン、ものごとの「起点」に位置付けられる確かな力と可能性を持ったデザインを見つけ出し、示せることが大切であるように考えました。
今年のグッドデザイン賞で「美しさ」をキーワードにしたのは、それが、私たちがデザインによってこれからの社会を築いていく上で欠かせないと考えたからです。私たち審査委員は、審査の過程で「美しさ」をめぐってこれまでにないほどの議論を重ねました。「美しさ」とは単に一つの意味に収まるものでなく、様々な意味を持ち、時代とともに変化し続ける概念として捉えるべきです。今年のグッドデザイン賞で私たちが見出した「美しさ」は、ものごとを社会的・総合的な視点で見たときに感じられるよさ、皆で考え高めていくことができるよさ、いま私たちが生きるシーンにそれがあることを、私たち自身が誇りや悦びに感じられるようなよさ、そのような「よさ」がもたらす「美しさ」であったように思います。そして、こうした「美しさ」を社会で共有できるのが、まさしくデザインの力なのではないか。ここまでの審査を通じてそう実感しています。

2018年10月3日

2018年度グッドデザイン賞
審査委員長 柴田 文江

2018年度グッドデザイン賞
審査副委員長 齋藤 精一